呼吸は単純な動作ですが、呼吸をしないと人は生きていくことができません。
人間が急に呼吸ができなくなった場合は約1分で意識障害が起こり5分以上続くと救命の可能性が25%以下になるといわれています。しかし、私たちは息を止める場合が日常的にあります。
短距離を全力で走るとき。重いものを持ち上げるとき。臭いものが近くにあるとき。水泳をするときも息を止めていると思います。
筆者はホラー映画やサスペンスドラマを観ているときに知らず知らずの内に息をとめてしまいます。ちなみにこの場合息を止めるといううより息をのむといった表現が正しいようです。
話がずれてしまいましたが、人間は生活の中で無意識の内に息をとめていることがあるようです。では、意識して息を止める場合は何分くらいもつのでしょうか?
筆者は小学一年の娘から『パパは何分息を止めれるの~』と聞かれたので少し試してみました。結果はなんと1分35秒!!(娘は30秒)なんとか親のメンツは維持できました笑。筆者は小学性のころから水泳をしていたのでそれが良かったのかもしれません。
今回は『息を止める平均時間は何分なの?』という疑問客を観的なデータをもとにガッツリと紹介していきたいと思います。
この記事ではこんなことがわかります。
- 人が息を止めれる平均時間(データをもとに紹介)
- 人が息を止めれる限界(想像以上に長いよ)
- 息を止める時間を長くすることができるのか
- 息止めで子供は大人に勝てるのか
息止めの一般的な平均時間
結論からお伝えすると
- 一般的な人間が息を止める平均時間は約30秒になります。
これは、スポーツ中や力を入れている時ではなく安静時(安らかで落ち着いているとき)に息を止めれる平均時間になります。また息止めが長くなるような特定の職業やスポーツをしていない人の平均時間となります。
息止め時間に対してのアンケート
まずは、マイナビウーマンさんがとられたアンケートを見ていきたいと思います。このアンケートは男性147名、女性367名から回答してもらった結果となっています。
アンケート結果
1位 | 21~30秒 | 23.9% |
2位 | 31~40秒 | 16.9% |
3位 | 11~20秒 | 15.9% |
4位 | 51~60秒 | 12.3% |
5位 | 41~50秒 | 9.3% |
アンケートでは息を止めれる時間は意外と少なく21秒~30秒が最多となっていますね。驚きなのが11秒~20秒の割合が15.9%もあることです。運動をする機会が少なく心肺機能が低下している結果なのかもしれません。
息を止め平均時間の検証データ
続いて検証データをそれぞれ見ていきたいと思います。息を止めることができる時間というのは個人差(年齢、性別、体質、生活習慣など)があるので、日本人の平均的な息を止めれる平均時間といったデータは見つけることができませんでした。
しかし、特定の年齢・特定の職業などに絞ったケースでは信頼できるデータがあるので、そこから息を止める平均時間を客観的に見ていきたいと思います。
18歳~22歳の健康な男性の息止め平均時間
- 息止め平均時間101秒
これは岡山理科大学の川上さんが18歳~22歳の健康な男性38名を対象に行った体力と息止め(いきこらえ)の検証結果です。
このデータはから息止めの平均時間だけではなく息を止める時間と体力にどのような相関関係についてもまとめており、結論としては身長、胸囲、握力、肺活量と息を止めれる時間に相関関係があり体力がある人の方がより息を長く止めれることが判明しました。
20歳~24歳の健康な男性の息止め平均時間
- 息止め平均時間33秒
これは昭和大学の阿部裕美子さんたちがされた検証データになります。
この実験では息を止める時間の計測を1回だけではなく5回するのですが、面白いことに回数を重ねるごとに息を止める時間を長くすることができています。
長い人では1回目より5回目の方が33秒も長く息を止めることができ、平均すると18秒長くなっています。
高校生水泳選手(16歳から18歳までの男女)の息止め平均時間
- 息止め平均時間92秒
この検証データは千葉県立白井高等学校の松下哲哉さんが検証されたデータになります。
やはり日ごろから息を止めることが多い水泳選手は1分半以上と先ほどのデータよりも3倍長い結果を出すことに成功しています。
また、この検証結果でも1回目よりも2回目の方が息を止めれる時間は長くなり平均して24秒も長くなっています。
小学生(3年生から6年生)の息止め平均時間
・息止め平均時間29秒
この検証データも千葉県立白井高等学校の松下哲哉さんが検証されたデータになります。
小学生でも成人男性と同じ時間近くまで息を止めることができるというのは少々驚きの検証結果ですね。また、この検証結果でも2回目の計測の方が平均して12秒長くなるといった結果となっています。
これら4つの検証結果の平均をとると約60秒となり、検証データではこの時間が大まかな息を止めれる平均的な時間ということが言えると思います。
検証データから分かること
息を止める時間は1回目よりも2回目の方が長くできる
4つの検証結果を見てきましたが、一番驚きなのは息を止める時間は回数を重ねると長くなるといううことです。この雑学を知っていれば、息止めを競う場合に有利ですよね。
※1回目の息止めから呼吸が乱れている内に2回目の息止めをすると逆に息止め時間が短くなってしまうので最低でも2分間の休憩をし呼吸を整えてから挑みましょう。
子どもと大人で息を止めれる時間に大差はない
そして息止め時間は子どもでも大人に勝てる可能性があるということ。検証結果では小学生と成人男性との息止め時間に大きな差はありませんでした。
また、水泳をしている高校生に限って言えば大人の平均時間をぶっちぎっています。これは息止め時間での競技では子供が大人に十分に勝てる可能性があることを教えてくれています。
自慢できる時間は何分から?
息を止める時間を自慢できるとなると『平均以上長い時間』というのが分かりやすいので60秒というのが1つの目安になります。
インパクトが欲しい場合は、『この動画が流れている時間は息を止めることができる』などわかりやすいたとえがいいいいですよ。
こんな動画がわかりやすいかもしれません。
60秒の息止めがクリアーできたら次は息止め2分が見えてきます。息止めの練習についてより詳しくまとめた『息止め2分を目指せ!すぐに記録を伸ばす方法を大特集』はこちらからになります。
息止めのギネス記録は何分?
世界一が記録されていることで知られるギネス記録。息止めの時間のギネス記録はどれくらいなのでしょうか。
ギネス記録にある息を止めた時間の最長記録はなんと24分37秒!
驚異的な時間の長さですが、さらに驚くことにこの記録を樹立したクロアチアのブディミール・ショバットさんの年齢は56歳!!
ブディミールさんは、息を止める時間は年齢に関係なく訓練することで驚異的に伸ばすことができることを証明しました。ちなみにブディミールさんがした訓練は週6日間の訓練を3年間も継続して挑戦したようです。ブディミールさん、なかなかストイック。
息止めは練習で鍛えられるの?
息止めの検証データやギネス記録を樹立したブディミールさんの結果から分かるように息を止める時間は練習することで長くすることができます。ではどのような方法で鍛えることができるのでしょうか。
息を止める時間を伸ばす練習方法(腹式呼吸)
腹式呼吸とは、横隔膜を動かすことで肺に空気を多く取り込みやすくする呼吸方です。
腹式呼吸をすることで肺本来の機能を活用することができ、体内に酸素を多く取り込むことができます。その結果息を止める時間が長くなります。
腹式呼吸のやり方
- 息を吸うときにお腹を膨らませる
- 息を吐くときにお腹をへこませる
- 息を吐く時間は息を吸う時間よりも2倍ほどの時間をかける
やり方を見てみると簡単ですね。腹式呼吸をする際は、姿勢が大切なポイントになります。猫背になっていたり姿勢が悪いと腹式呼吸をしても十分な空気を取り込むことができないので、やるときは正しい姿勢を心がけましょう。
横隔膜のマッサージの仕方や腹式呼吸の正しいやり方は、ダイビングスクールの方が詳しく説明している動画がとっても参考になります。
息を止める時間を伸ばす方法(有酸素運動)
心肺能力を上げることも息を止める時間を延ばすために重要な要素になります。
有酸素運動は心肺機能を高めることができます。これによって酸素を多く取り込むことができるので結果として息を止める時間を延ばすことができます。
心肺持久力を高めるには、低めの運動強度の運動を可能な限り長い時間行うこと、最大酸素摂取量の40%以上確保することが必要とされていますので、ジョギング・水泳・サイクリングのような全身を使う有酸素性運動が適しています。
検証結果にもあったように水泳をしていた高校生は息止め時間が90秒以上と他の検証データと比較してもずば抜けて長い時間を記録していました。
筆者も幼いころから水泳をしていたこともあり今でも平均以上の時間息を止めることができます。
気軽にできるサイクリングやジョギングも心肺能力を高めるために有効な方法なので息を止める時間を延ばしたい方はサイクリングやジョギングから始めてみるのもいいかもしれませんね。
息止めに挑戦するには注意が必要
息止めの挑戦ですが、いくつか注意点があります。無理にすることとで過去には死亡者も出ているので以下の点に注意するようにしてください。
息止めの挑戦は1人でしない
まずお伝えしたいのが、『息止めの挑戦は1人でしないこと』です。
息止めをすると酸欠状態になる場合があり意識を失う場合があります。お風呂やプールなど水の中で意識を失うと溺死してしまう可能性があります。過去にはニュージーランド出身のクローソンさんがプールで死亡してしまった事故が起きています。
また、水の中でなくても意識を失ってしまうと助けを呼べなくなってしまうので息止めの挑戦は1人でなはく、他の人にみてもらいながらするようにしてくださいね。
食後の息止めの挑戦
食後は胃に食べ物が入っている状態なので深く呼吸をしても肺に十分な空気を取り込むことができません。また、食べ物を消化するのに酸素を使っているので普段よりも早く息苦しくなってしまいます。
食後は十分消化ができる時間をとってから息止めへの挑戦をするようにしましょう。
タバコを吸った後の息止めへの挑戦
タバコを吸うと体内で酸素を運ぶ役割をしているヘモグロビンが、煙に含まれる一酸化炭素と結合してしまい酸欠状態となってしまいます。そんな時に息止めをすると体への負担はかなり大きなものとなってしまいます。
タバコを吸ったあとの息止めは絶対にやめましょう。
ちなみに一酸化炭素とヘモグロビンが結びついた一酸化炭素ヘモグロビンの体内での半減期は3から4時間程度と言われています。
深呼吸のメリット
息を止める時間を計測する前にはほとんどの人が深呼吸をすると思います。これは酸素を体内に多く取り込むことで息を止める時間を少しでも長くするためです。
呼吸の仕方1つで時間が大きく左右されるのですから深呼吸には大きなメリットがあるといえます。息止め以外に深呼吸することのメリットはどんなものがあるのでしょうか。
深呼吸で得られるメリット
- リラックス効果
- ストレス解消
- 疲労軽減
- 幸せ度の増加
- 睡眠向上
- 体調改善
- 集中力アップ
- ダイエット効果
なんと深呼吸するだけで8個もメリットを享受することができます。意識せずに呼吸をしていると呼吸が浅くなりがちです。『疲れたな』『集中力が切れてしまったな』といったときには深呼吸することでこの状況を変えることができます。
筆者はデスクワークや長時間の車の運転が多いので『疲れたな』といったときに深呼吸をするようにしています。効果としては抜群で集中力を取り戻すことができるので、ぜひためしてみてください。
まとめ
いくつかのデータを考察した結果、人間が息を止めれる平均時間は大まかに言うと60秒(1分)といった結果となりました。
また、息を止める時間は回数を重ねる毎に伸ばす事ができ腹式呼吸や心肺機能を鍛える事で更に伸ばす事が出来ます。
あなたが息を止めれる時間は平均より長いですか?短いですか?もしあなたが、息を止める時間を長くしたい場合は記事中の内容をぜひ試してみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が少しでもみなさんのお役に立てればと思います。
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