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「ついて行く」の漢字はどれが正しい?付く・着くの違いを徹底解説

漢字と単位
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結論:「ついて行く」の正しい表記は「付いて行く」または「ついていく」

文章を書くとき、「ついていく」を漢字にすべきか、ひらがなにすべきか迷ったことはありませんか。結論からお伝えすると、もっとも一般的で正しい表記は「付いて行く」です。そして、文章全体の読みやすさを優先する場合には「ついていく」とひらがなで書くのも正解です。

一方で「着いて行く」という書き方を目にすることもありますが、これは誤用とされています。辞書的にも認められておらず、「到着する」という本来の意味から外れてしまうため、正しい日本語としては使えないのです。つまり、迷ったときに選ぶべきは「付いて行く」か「ついていく」であり、この2つを覚えておけば安心です。

筆者は仕事でメールを多用するのですが、字のまちがいは相手に誤解や不安を与えてしまいます。「ついていく」は間違いやすい言葉なので過去に慎重に調べた経験があります。

この記事で分かること

  • 「ついて行く」の正しい表記
  • 「付く」と「着く」の意味の違い
  • 「付いて行く」「ついていく」が使われる具体的な場面
  • ひらがな表記「ついていく」が推奨されるケース
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「ついて行く」の正しい漢字は「付いて行く」または「ついていく」

「付いて行く」と「ついていく」の違いと誤用である「着いて行く」について詳しく見ていきましょう。

標準的で正しいのは漢字で「付いて行く」

「付く」という漢字には「従う」「寄り添う」「一緒に行動する」といった意味が含まれます。そのため、誰かに同行する場面や、変化に追従する場面で自然に使える表記です。辞書や国語の教科書でも「付いて行く」が標準的に紹介されており、もっとも安心して使える表記といえるでしょう。

読みやすさを優先するなら「ついていく」も正解

漢字にするとやや硬い印象を与える場合、ひらがなで「ついていく」と書く方法も広く受け入れられています。とくに公用文や説明文では、読みやすさを重視する目的でひらがなが推奨されることもあります。したがって「ひらがな=間違い」ではなく、むしろ配慮のある表記といえるのです。

「着いて行く」は誤用?正しい日本語ではない理由を解説

「着く」という漢字は「目的地に到達する」という意味に限られます。ですので「友達に着いて行く」「授業に着いていく」と書くと、場所に到着するような不自然な日本語になってしまいます。これは多くの人が「つく」という同じ音につられて誤って選んでしまう例であり、正しい日本語としては避けるべき表記です。

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「付いて行く」の意味と使い方(授業・時代・会議などの使用例)

「付いていく」は幅広い場面で使える表現です。ここでは意味ごとにカテゴリーを分けて、実際の使用例を紹介します。

人や行動に同行する場合

誰かと一緒に行動する場面で自然に使えます。

  • 「友達に付いて行く」
  • 「子どもが母親に付いて行く」
  • 「部下が上司に付いて行く」

このように、単なる到着ではなく「同行」のニュアンスを込めたい場合に適しています。

能力や状況に追従する場合

学習や作業に追いつく意味でも使われます。

  • 「授業に付いていけない」
  • 「会議の内容に付いていくのが大変だ」
  • 「練習のペースに付いていけない」

この場合、「追従」「追随」といった言葉に置き換えられるのも特徴です。

流れや時代に適応する場合

変化や進化に対応する文脈でも「付いていく」が使われます。

  • 「時代の変化に付いていく」
  • 「AIの進歩に付いていく必要がある」
  • 「最新トレンドに付いていくのは容易ではない」

単なる同行ではなく「適応」という広がりのある意味を担っています。

ビジネスや社会活動での使用

ビジネスの場面では「付いていく」は戦略や方針への追従を表す言葉として使われます。

  • 「上司の方針に付いていく」
  • 「会社の方向性に付いていくしかない」
  • 「市場の動きに付いていく企業が成功する」

組織や社会の動きに寄り添うニュアンスを表すのに適しています。

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「ついていく」の意味と使い方(会話・文章上の配慮例)

「ついていく」とひらがなで書くのも広く使われる方法です。むしろ、文章の読みやすさや柔らかさを重視する場合には推奨される表記でもあります。

会話的・親しみやすい文脈

  • 「どこまでも君についていくよ」
  • 「友だちについていったら楽しかった」
  • 「子どもが後ろからついていく姿がかわいい」

小説や日常的な文章では「ついていく」と表すことで口語的で自然な印象を与えられます。

読みやすさを重視した文脈

  • 「授業についていけなくて悩んでいる」
  • 「流行についていくのは難しい」
  • 「会議の内容についていくのに必死だ」

難しい漢字を避けることで文章全体がすっきりと読みやすくなります。特に子どもや幅広い読者層に向けた文章では「ついていく」が適しています。

公的・文章上の配慮としての表現

  • 「報告書では『ついていく』と表記した」
  • 「読みやすさを考えて『ついていく』を使った」

文化庁の基準でも、公用文では誤解を避けるためにあえてひらがなを使うことが推奨されています。つまり、公式な場面でも安心して選べる表記なのです。

出典文書文化庁『公用文作成の考え方』(令和4年1月7日)

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「着いて行く」が誤用とされる理由

「着いて行く」という表記を見かけることがありますが、これは正しい日本語としては認められていません。「着く」という漢字は「目的地に到達する」「到着する」という意味を持ちます。したがって「友達に着いていく」と書くと「友達という場所に到着する」と解釈されてしまい、文脈に合わなくなるのです。

「ついて行く」の場合と同じように、日本語には表記がゆれやすい言葉がほかにもあります。たとえばビジネスでよく使う「打合せ」と「打ち合わせ」もそのひとつです。詳しくはこちらの記事で解説しています。「打合せ」と「打ち合わせ」どれが正しい?ビジネスや公用文での使い方を徹底解説

「着く」の本来の意味(到達する)

「着く」は「駅に着く」「目的地に着く」というように、到着を表す場合に用います。同行や追従の意味は含まれていないため、「〜についていく」という文脈には当てはまりません。

誤用が生まれる背景(同音異義のため)

「付く」も「着く」も「つく」と読みます。そのため、特に文章を書くときに誤って「着」を選んでしまう人が多いのです。発音が同じだからこそ生まれやすい誤用だといえるでしょう。

正しい「着く」の使用例

  • 「駅に着く」
  • 「自宅に着く」
  • 「目的地に着く」

このように「到着」を意味する文脈では「着く」を用いるのが正しい形です。

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よくある誤用と正しい書き換え

  • ❌ 東京に着いて行く → ⭕ 東京に付いて行く
  • ❌ 授業に着いていけない → ⭕ 授業に付いていけない
  • ❌ 上司の方針に着いていく → ⭕ 上司の方針に付いていく
  • ❌ 時代の変化に着いていく → ⭕ 時代の変化に付いていく
  • ❌ 新しい仕事に着いていく → ⭕ 新しい仕事に付いていく

誤用の多くは「つく」という同じ音の影響で起こりますが、文脈を意識すれば正しく書き換えることができます。

オンライン辞書「コトバンク」では、『大辞林 第四版』『デジタル大辞泉』などの複数の辞書を引用して「ついていく」の語義や漢字表記が解説されており、「付いていく」が標準的な表記であるという裏付けになります。詳細はこちら(コトバンク)をご覧ください。

「付く」と「着く」を区別するコツ

同行や追従を表すなら「付く」、到着を表すなら「着く」と覚えておくと混同を避けられます。

  • 従う・同行する → 「付く」
  • 到達する・目的地に着く → 「着く」
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なぜ「付いて行く」が正しいのか

「付いて行く」が正しい理由を理解するには、まず「付く」という言葉が持つ本来の意味を押さえる必要があります。

「付く」には「従う」「寄り添う」「結びつく」といった意味合いがあります。例えば「友達に付いていく」と言えば、友達と一緒に行動し、同じ方向へ歩みを進めるイメージになります。また「時代に付いていく」と使えば、社会の変化や流行を受け入れて適応していく様子を表せます。

「付く」の意味とニュアンス

「付く」という言葉は、単に物理的にくっつくという意味だけではありません。人や状況に「従う」「寄り添う」といった抽象的な意味も含まれています。そのため、同行・追従・適応といった広い文脈で自然に用いられるのです。この柔軟さが「付いていく」が標準とされる大きな理由のひとつです。

辞書・公的基準における位置づけ

国語辞典を確認すると、「ついていく」の項目では「付いて行く」が代表的な表記として示されています。

また文化庁の「公用文における漢字使用例集」でも、誤解を招きやすい漢字よりも意味の通りやすい「付」を用いることが推奨されています。つまり、「付いて行く」を使えば公式文書やビジネス文書でも安心できるのです。

「授業についていく」「時代についていく」の正しい漢字

実際に迷いやすい例として「授業についていく」や「時代についていく」があります。どちらも「授業に付いていけない」「時代に付いていく」と書くのが正しい形です。

ここで「着」を使ってしまうと「授業や時代に到着する」という意味になり、不自然な文章になってしまいます。学習やビジネスの現場では誤解を招きやすいため、注意が必要です。

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「ついていく」の類義語とフォーマル表現

ビジネスや公的な場面では「ついていく」を別の言葉に言い換えることも可能です。

同行する:シンプルでビジネス向け

例:「上司に同行する」

同伴する:改まった場面で使える表現

例:「家族を同伴して出席する」

随行する:上位者に従うフォーマルな言葉

例:「大臣に随行する職員」

場面に応じた言い換えの使い分け

日常では「付いて行く」、ビジネス文書では「同行する」、公式な文章では「随行する」など、状況に合わせた言葉を選ぶと表現の幅が広がります。

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補足:その他の漢字表記

「就く」:職業や地位に関する場合

  • 「新しい職場に就く」
  • 「管理職に就く」

キャリアや役職に関する限定的な文脈で使われます。

「随いていく」:古典的で格式ある表現

  • 「君主の意志に随いていく」

「古典文学に『随いていく』と記されている」
現代ではほとんど使われず、文学的・歴史的な表現に限られます。

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まとめ

「ついて行く」の正しい表記は「付いて行く」か「ついていく」です。辞書的にも標準なのは「付いて行く」ですが、読みやすさを考慮するならひらがな表記も間違いではありません。

一方で「着いていく」は誤用であり、正しい日本語としては使えません。文脈によって「付いて行く」と「ついていく」を適切に使い分ければ、安心して文章を書くことができます。

さらに、「同行する」「同伴する」「随行する」といった類義語を覚えておくと、フォーマルな場面でも表現の幅が広がります。迷ったときは「付いて行く」を選び、読みやすさを重視したいときは「ついていく」を使うとよいでしょう。

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